津南町 岡村さま  

あることから突然、私たち家族をとりまく環境が大きく変わり、2歳の娘のため、また父と同居するために急遽実家を建て直すことになりました。
先ずは「雪の心配をしなくていい家を」「外からの音が入らない家を」「老いてからも暮らしやすい家を」等、どのような家が欲しいかをまとめることから始まり、具体的な設計では、「階段は出来るだけ緩やかに」「ウォークインシューズクローゼットが欲しい」「脱衣、洗面は広く」「台所は2人立っても使えるように」「書庫専用の部屋を」等、具体的に配置をしていきましたが、限られた予算の中では、スペースも限られ、ずいぶんと悪戦苦闘しました。たかもくさんには難しい要求をたくさんしてきましたし、何度も何度も設計図を書き直していただきましたが、いやな顔ひとつせず相談に乗って下さいました。
また、時にはたかもくさんの思い切ったアイディアで、行き詰っていた動線の難問がすっきり解決したこともあり、「さすがにプロだなぁ」と感心したものです。
また、基本構造の大切さもたかもくさんから教えていただきました。 TIP工法の見るからに頑丈そうな造りはとても安心感があります。また、外断熱換気工法はこれまでの木造軸組工法という日本の住宅古来の伝統技術の良さを活かしながら、それを更に進化させたものだと思います。その快適さは既に他の方が述べていらっしゃいますのでここでは割愛しますが、なるほど、その家の安心や快適さというのは建ってしまえば目に見えなくなってしまう隠された部分にあるのですね。木でいえば根っこの部分でしょう。どんなに大きく枝を張り、葉を茂らせ立派な木に見えても、その根っこが軟弱であればすぐに倒れてしまうでしょう。他社の新築見学会やモデルハウスなども見学しましたが、ともするとデザイン重視でこの大切な根っこの部分がおろそかにされているものが多いなというのが感想です。「家を建てる」ということは、ある意味理想を現実化することでもあるわけですから、「憧れの形」を優先し、「安心して快適に暮らせる」という大切なことを二の次にしてしまうのは分からないでもありませんが。
また、価格にしても同じことが言えるのでしょう。見た目に「カッコイイ家」は割りと簡単に低価格で造ることも出来るでしょうが、本当にいい家を造ろうとしたときには、目に見えない部分に経費をかけざるを得ない分、高額に見えてしまうかもしれません。しかし、どちらが本当に正直で、最終的に住む人が満足できるでしょうか。私たちは安心と快適さを手に入れることが出来ました。これは本当にかけがえのない財産だと思っています。
建築が始まって、もう基礎が出来上がろうとしている時になって、3階の間取りを変更するなどという無謀な要求をしましたが、快く応じて下さいました。かなり大変な作業だったと思います(これから建築される方は真似をしないで下さいね)。また、設計図だけでは分からなかったことですが、家の枠組みが出来上がった後、本来なら壁になってしまう階段の下などの空きスペースが勿体無い事に気づき、その部分3箇所に収納庫を設けていただきましたが、とても便利で使い勝手の良い収納庫になりました。様々な要求もその都度、きちんと対応して下さったことに感謝しております。
建築中には現場の方に本当にお世話になりました。いつもきちんと清掃が行き届き、気持ちのいい仕事振りでした。お茶のみ用に小さなテーブルを簡単に作ってしまうのは羨ましい限りで、2歳の娘がままごとをするのにちょうどいいと、同じようなものを造ってくれないかと依頼したところ、あっという間に素晴らしいテーブルを造ってきてくださったのには感動しました。
この家に住み始めてまもなく三ヶ月になろうとしていますが、建築中には気づかなかったことがたくさん見えてきました。使っている木材が細部まで素晴らしいこと(和室の鴨居や柱などは本当に素晴らしい材料を厳選して下さったのだと思います)、細かなところに配慮が行き届いていること、住み始めてから起こってきた些細な不具合などにも丁寧迅速に対応して下さることなど、本当にたかもくさんの誠実な対応には感謝しています。この家の造りと一緒で、派手な営業などはしなくても根っこの誠実さで支えているのですね。
たかもくさんと私たちの素晴らしい共同作品です。これからこの家で2歳の娘がどのような成長を遂げていくのか、亡き母も嬉しそうに見守っていると思います。 有難うございました。これからも永いお付き合いをよろしくお願いいたします。